「ラーメン」は今や全国各地で親しまれている呼び名ですね。
ところが、「中華そば」と書いているお店もあります。
呼び名は開店した時代と地域によって違ってくるようです。
元をたどって行ってみましょう。
「中華そば」から「ラーメン」が生まれた?
日本での始まりは約350年前、かの水戸黄門が食べた麺類だと言われています。
明確にこれを食べたという記述はないものの、材料になるものが記録に残っているのと、約40年後には客人にその麺類がご馳走されたという記述から、ほぼ間違いないとされています。
時代は飛んで明治時代、約140年前になります。
ラーメンと中華そばの簡略的な歴史
開国してから間もない日本の中、中国からの移民が集う南京街、現代で言う中華街が出来ました。
その中に出来た飲食店の中に「拉麺(ラーミエン、ラーメン)」という麺類のメニューがありました。
これが日本人に伝わり、日本人向けの味にされて出来たのが「南京そば」、または「支那そば」です。
特に大衆に受け入れられるようになったのは約70年前の戦後間もない頃になります。
当時の食糧難から、高い栄養面で中国製の麺に目が集まりました。
民衆から親しまれていたそば屋がその麺を取り入れ、そば出汁を中国製の麺に合うように改良しました。
そして当時の中国の名前が中華民国だったのと、1949年に中華人民共和国が成立したことから、「中華そば」と呼ばれ始めたのです。
更に時代は最近になって1958年、「チキンラーメン」が誕生し、人気が出たことによって、「中華そば」を上回って「ラーメン」という名前が定着したのです。
以上のことから、「ラーメン」は「中華そば」の進化系で、「南京そば」と「支那そば」と「中華そば」の名称が残っているお店は、ルーツや当時の味にこだわりがあると言えます。
「ラーメン」の語源には、中国語が元になったという説、働いていた中国人の掛け声が元になったという説などがあります。
時代の流れで味に違いが出る
現在のラーメンは味噌と醤油とトンコツと塩の他、カレーや牛乳といった挑戦的なものなど、多くの味がありますね。
そしてそのほとんどが濃厚な味わいです。
対して「中華そば」とされるものは元来の製法を元にした、醤油味でさっぱりとした風味が特徴と言えます。
しかし、日夜研究開発が続けられているこの食品は常に味が変動していると言って良いでしょう。
ラーメンと中華そばの相の子であるような味が生まれているのも確かです。
まとめ
歴史を紐解けば、ラーメンの元になったのが中華そばと言えます。
「南京そば」と「支那そば」の名称であれば、本来の味を残していると考えて良いでしょう。
お店側が主張しない限りはその線引きも曖昧になりがちですが、どちらにせよ、我々日本人の口に合うのは間違いありません。
そうしてすっかり馴染んでしまった現在のラーメンと中華そばは、元になった中国からも日本食として見られています。
他の食品でも言えることですが、日本お得意の味改造、ここに極まれりですね。
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