皆さんは、おおよそ小学校時代に習った「海」と「川」と「湖」の違いを覚えていますか。
「覚えていますか」などと聞くと「当たり前のことを聞くな」と叱られるかも知れませんね。
私の記憶では、確か、「山に降った雨は、川を流れて海にでる」とか、「湖は、堰き止められた大きな池」などと教わった気がします。
今更ながら、この3つの違いについて考えてみたいと思います。
「海」の水は、ご存じの通り、かなり塩辛く感じますが、川の水は、塩辛くありませんね。
湖の水はどうでしょうか。
「海」には波がありますが、「川」と「湖」には波が・・・実際には、風が起こす波がありますが・・・ありません。
ここまでは、実際に目で見たり、水をなめたりして確認できることで、「違い」という意味では、間違いではありません。
では、「海」と「川」と「湖」の持つ意味や成り立ちや、境目はどうでしょう。
違いについて、できるだけ調べてみたいと思います。
海、川、湖とは
「海」について
①地形としての「海」は、地球表面の4分の3ほどの部分をいう
②太平洋や大西洋など、海洋の意味を持つ
③外海(ソトウミ)と呼ばれる(例えば「カスピ海」の様な)大きな湖を指す
・・・など
※川の海にでる付近では、上流からきた水と海の水が混じらずに重なる現象が起きています。
その重なったところを縦に切ると、川の水(淡水)が上の層、海の水(海水)が下の層になっている「海と川の境」が水の色までもくっきりと違うのが見て取れるそうです。
「川」について
雨水やわき水などが、主に山と山の谷間に沿って流れる水で、河川法などに基づいて種類がある
※港則法(法律)では、川の出口に港などがない場合に、川の領岸を結んだ線を「川と海の境」と決めているそうです。
「湖」について
周りを陸上に囲まれた水の溜まった水深5m以上のくぼ地で、沿岸には植物が育つが、水の中では育たず、池や沼よりも大きな水たまり
※中には、湖から流れでる川や湖に流れ込む川があり、「水たまり」と言い切れない湖があるそうです。
また、海外では、「湖」でも「○○海」と名前がついているものもあり、国によっては、「湖」と「海」が同じ意味の単語だったり、またその逆の意味の単語があったりするので、区別をするのは難しい様です。
湖の種類
①天然湖
・断層湖:活動後の断層に水が溜まってできた湖(諏訪湖やバイカル湖など)
・火口湖:火山の火口にできた湖(湯釜やニオス湖など)
・カルデラ湖:火山口が陥没してできた湖(榛名湖やトバ湖など)
・堰止湖:溶岩などが川を堰き止めてできた湖(丸沼やリオドッセ湖沼群など)
・海跡湖:元は海だったところにできた湖(霞ヶ浦やソンクラ湖など)
②人工湖
・止りダム湖:かんがい用で湖の水の上下は少ない(丹生湖など)
山の傾斜などの途中で平らになったところにある川などが堰き止められてできた湖
・流れダム湖:発電などに使われて、湖の水の上下が大きい(奥利根湖など)
③塩分濃度の濃い湖
・淡水湖:1ℓあたり500mgまで(群馬県内にある湖の多く)
・汽水湖:淡水湖に海水が混じる(サロマ湖など)
・塩湖:1ℓあたり500mgより多い(ユウニ塩湖など)
④成分による分類など
以前、「○○湖」と名前の通りに湖だと分かる様に書かれていたが、最近では、その土地の印象を良くするために、「沼」を「湖」と変えるなどの場所があったり、ダムの建設に伴ってできた「池」を「○○湖」と名付けたりしている
まとめ
調べた結果、「海」と「川」と「湖」の違いの中で、「川」については、ほかの2つとは明らかに違う特徴を持っていて、「海」と「川」の違い(境)が河口付近ではっきり見ることができたり、川にも、流れる途中の形状(例:天井川や水なし川など)や川の出口などで別の名前(例:三角州や砂州など)がついた場所がありますが、源流から海にでるまでを一貫して「川」と呼ぶことは間違いない様です。
この様に「川」には法律によって基準がありましたが、「海」と「湖」については、とても分かり辛いものでした。
国内外を問わず、「湖」の構造を持ちながら「海」の名前がついていたり、「海」でもないのに水が塩っ辛い「湖」があったり、国によって「海」と「湖」の単語があいまいなど、知れば知るほど混乱する様に思えます。
また、国内でも最近では、地域の観光目的などで印象を良くするなどの目的で、「沼」を「湖」と改名したり、ダムによってできた「池」を「湖」と名付けたりなど、違い(境)が明確ではない場合が増えてきた様です。
中には、「海も湖も、元々は[大きな池]だ」と説明しているものまでありました。
地球は丸いですから、「海」も大きな意味では「塩っ辛い湖」なのかも知れませんね。
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