秋から冬にかけて鍋物とともによく食べられるメニューに「豚汁」があります。
たくさんの根菜やこんにゃく、お肉等を煮込んだ豚汁は格別ですが、似たような料理に「けんちん汁」と呼ばれるものもあります。
どちらも野菜がたっぷり入った汁物といったイメージですが、その違いは何か明確に分かる人は少ないのではないでしょうか。
というわけで、今回はけんちん汁と豚汁について見ていくことにしましょう。
けんちん汁と豚汁の違いについて
まず「けんちん汁」ですが、これは「野菜・豆腐を油で炒めて煮込み、醤油で味付けした汁物」を指します。
それは元々けんちん汁が精進料理であったために、出汁も昆布としいたけから取るなどして、豚肉や鰹節、煮干しなどは加えられていなかったことに起因しているようです。
つまりけんちん汁とは精進料理であり「動物性のものを使わず、具材を油で炒めて煮込み、醤油で味付けした汁」といえます。
しかしながら、最近では野菜と一緒に豚肉を炒めてかつお節で出汁を取り味噌で調味するなど、豚汁とけんちん汁の具材と調理方法が混合されるようになっています。
そのため、けんちん汁と豚汁の違いは徐々に無くなってきているのが実情です。
次に「豚汁」ですが「豚肉や野菜などを煮込み、味噌で味付けした汁物」を指します。
けんちん汁が動物性の材料を使わないのに対し、「豚汁」は具材に制限はありません。
また「豚汁」は具材を油で炒める必要がないうえ、お醤油ではなく味噌で味付けした汁物です。
とはいえ先程ご紹介したように、けんちん汁の具材や調理方法と徐々に混合されていることから、明確な違いは無くなってきています。
とはいえ一応の違いは、けんちん汁は「動物性のものを使わず、野菜や豆腐を油で炒めて醤油で味を付けた汁」であり、豚汁は「食材に制限はなく豚肉や野菜を煮込んで味噌で味付けした汁」ということになります。
芋煮とは?
さて、けんちん汁と豚汁の違いは分かったのですが、地域によってはけんちん汁や豚汁のことを「芋煮」と呼ぶ所もあるようです。
この場合、使う芋の種類や味噌味か醤油味か等に違いはあるもの、「けんちん汁」も「豚汁」も「芋煮」も明確な違いはないことが多いようです。
つまり、名称は違っても多くの地域で愛されている料理が「けんちん汁」「豚汁」「芋煮」だといえそうですね!
まとめ
今回はけんちん汁と豚汁の違いについてご紹介しました。
けんちん汁は、動物性のものを使わず具材を油で炒めて煮込む醤油味の汁、豚汁は動物性のものを含んだ具材を煮込んだ味噌味の汁ということになります。
ただ徐々に両者の違いが無くなっていることから、けんちん汁と豚汁に明確な違いはないというのが実情のようです。
今回は以上になります。
ご参考になれば幸いです!
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