「お別れだね。もう、会えないんだ」
「楽しかった。美しい3年間だった。彼女達のキラキラとした魅力は、きっと永遠に俺達の心の中で輝き続けるだろう……本日、今、この時をもって、彼女達と共に俺達も卒業する!」
「卒業しても絶対忘れないぜー! 『ホモサピエンス78』!」
……いや、実際のところ、そんなアイドルグループは存在しませんが……
「卒業」という言葉は、「学校を卒業する」の他にも、色々な使われ方をするんですよね。
それでは、今回のテーマになっている「卒業」と「修了」の違いを見ていくことにしましょう。
「卒業」するのは学校だけとは限らない。「修了」したのは過程を経たから
一般的に考えられている「卒業」とは、「学業を終えて学校を離れること」を指しています。
ですが、「卒業」を使用した比喩表現は多く、前述に挙げたアイドルグループの解散や、ファンが活動をやめる比喩表現としても「卒業」が使われます。
一般的に考えられている「修了」とは、「一定の学業や、一定の過程を終えること」を指しています。
コツコツと学びを積み重ね、一定の過程を終えたと判断された人が受け取るのが修了証です。
ですが、学びに限らずとも全ての課程において「修了」という言葉は使用可能なのです。
卒業について
「卒業」という言葉は、様々な場面において、様々な意味合いで使われています。
- 学校の全教科を修了することや、学科の全ての課程を修了すること
「中学卒業」や「高校卒業」、「短大卒業」、「大学卒業」など。
ちなみに、大学院の場合は「大学院修了」と言うことが多いです。
- 或る状態や、或る段階を通過すること
「友達の関係は、もう卒業。次は……」
一歩進んで恋人関係に進むぞ!といった意気ごみが感じ取れる「卒業」の使い方です。
- 一つの事業を完了した
例1 「あのアイドルがテレビ界を卒業した」
この場合の「卒業」は、業界を去ったことを意味します。
その理由が、自らの意志なのか、タレント生命に関わる事件を起こして解雇されたのか、そのどちらにしろ「卒業した」で表現できるため、「(誰々が)業界を卒業した」と聞かされた一般の人の70%は、「不祥事で止めさせられた?」と、ネガティブに捉えがちだそうです。
例2 「今日で、キャスターの○○さんは当番組を卒業です」
人事上の配置転換の意味合いで、「卒業」という言葉が使われています。
番組終了時に花束を渡されたキャスターがスタッフの拍手で涙ぐむシーンが映し出されると、正に「卒業」という雰囲気です。
- 国際開発協会や、政府開発援助の機関においては、「支援終了国」を「卒業国」と呼んでいます。
「卒業国」認定をされた国が再び貧困状態に陥らぬよう、倦まず弛まず、様々な取り組みを行っているのです。
修了について
「修了」とは、予め定められている学業の課程や訓練の課程、研修課程などを終えることです。
ですが、学業に限らない全ての状況においても、過程を終えた場合には使える言葉です。
例を挙げると……
- MBAは、日本語で経営学修士と呼ばれる学位ですが、経営学の大学院修士課程を修了しなければ付与されません。
- 大学院修了
- 専修学校修了や、専門学校修了
- 普通自動車免許の修了検定
- カルチャースクールや、講座の修了
- 資格認定試験で貰う修了証
- 臨床研修を修了した医師
- スポーツジムで、ダイエットプログラムを修了
まとめ
「卒業」と「修了」の違いを見てきました。
「卒業」は、学校の卒業時に使用されるだけでなく、比喩的表現にも大いに使われますし、「修了」は、学びの過程だけではなく、あらゆる過程において用いられる言語です。
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