「俺ってぇー、この辺じゃー、チョー有名人だからぁ!」
「あのぉ……お好きな著名人はどなた?」
このような文章で使われたりする「有名人」と「著名人」。
平易な会話で使われる「有名人」という言葉に対し、少し上品ぶった会話に出てきそうな「著名人」という言語。
うーん……やはり、こうした気合いだけで違いを語ってはいけませんよね。
少し掘り下げて見ていきましょう。
悪名にも関わらず「有名人」。「著名人」は善人のみ
- 「有名」とは、
- 名を有していること。
- 世の中にその名が知られていることや、その状況。
…を意味しています。
対義語は「無名」で、同義語に「知名」が挙げられます。
- 「著名」とは、疑いようもなく明白であることや、非常に瞭然であることを意味しています。
対義語は「無名」で、同義語に「高名」が挙げられます。
従って……
その名が世間に知れ渡っていれば(世間と言っても、あまり大きな範囲でなくてもOK)、悪評か好評かに関わらず「有名人」となり、たくさんの人々から素晴らしいと賞賛されて高評価を得た上で、その名が知られている場合であれば「著名人」となるのです。
それぞれの違いを見ていきましょう。
有名人について
良くも悪くも、その名が知られていれば「有名人」です。
その範囲は世間全般のこともあり、ご近所や、気の知れた仲間うち数人程度のグループ内でも有り得ます。
例えば……老若男女含めて世間一般がその名を知っているスポーツ選手、または大女優が「有名人」のカテゴリーに入るのは当然ですが、ローカル放送で放映された名物店主も、ご近所さん達に囲まれて肩を叩かれ、「明日から一躍有名人だね!」などと言われるでしょう。
有名人と呼ばれるにしても、良い意味での有名人と、悪い意味での有名人に分かれます。
例えば……人命救助をしたのであれば「良い意味での有名人」。
例えば……仲間内で殴り合って怪我をさせてしまったのであれば、「あいつには近寄らないほうがいいよ」とヒソヒソささやかれる「悪い意味での有名人」となってしまうのです。
要は、「良くも悪くも、名前が知られている人」が「有名人」ということになります。
著名人について
著、という漢字が使用されているため、いかにも文学的要素のある人のみに使われるように思いますが、それは限定されません。
「著名人」とは、賞賛を込めて社会的に高く評価され、その名が広く知れわたっている人のことです。
明らかな実績を残し、世間に素晴らしい貢献をした偉大な物理学者は「著名人」です。
「著名」の同義語に「高名」があり、これは更に社会的評価が高いことを示しています。
「お会いできて光栄です。ご高名はかねがね伺っております」などという用法で使われます。
「著名人」に対しては、畏敬や尊敬の念をもって接する場合が多いですが、「有名人」に対しては、その状況により、重きを置いたり、軽んじたり、嘲ったり、そしったりする場合があります。
まとめ
「有名人」と「著名人」の違いを見てきました。
「有名人」は善悪関係なく、その名が知れている人のことで、「著名人」は社会的な高評価あっての名の通った人だということがわかりました。
ここで、アニメ界での「有名人」の名言(迷言?)と、人間界の「著名人」の「なるほどなぁ~」と思わせる名言をご紹介しましょう。
- 有名人
その1 → ドラえもん「うぎゃーっ! ネ…ネズミーッ!」
その2 → のび太「…僕は! 僕は、宿題をやるためだけに生まれてきたんじゃなーいっ!」
- 著名人
その1 → アインシュタイン「人が恋に落ちるのは、万有引力のせいではないのだ」
その2 → ヘミングウェイ「愛情を感じていない人とは旅に出てはいけない」
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