海兵隊と聞くと、海軍の一部?と思ってしまいがちですが、違うものになります。
確かに国によっては海軍の一部と言える部隊がありますが、大体は違いがあります。
また、海兵隊の立場や任務が各国で違います。
ここではニュースなどでよく見聞きするアメリカの場合に注目していきます。
二つの組織の役割の違い、国による違い
海軍は世界で共通して戦闘艦や、一般的に空母と呼ばれている航空母艦を所有し、海の上での戦闘を担当している軍隊で、私達が思い描く軍隊と差異ありません。
しかし、海兵隊となると話が変わってきます。
海軍と海兵隊の役割
海軍は大砲などで敵船と戦います。
あくまで海の上でのみの戦闘を得意としているため、敵地に上陸して戦うのが不得意な軍隊なのです。
そのため、海軍の中に陸上戦を得意とする部隊を編成する必要がありました。
これが海兵隊の始まりです。
古くは16世紀のスペインが最初と言われ、ヨーロッパ各国に次々と生まれていきました。
やがて、海軍と陸軍とは違った海兵隊が組織されていったのです。
現代のアメリカ海兵隊は陸空海の各軍隊とは別の独立した軍隊です。
海兵隊はアメリカ本土から海外の戦場に真っ先に派遣され、陸海空全ての戦いを使い分け、先陣切って行います。
海軍には所有し得ない戦車や戦闘機を所有しています。
海からは海軍によって陸戦用装備をした人員や戦車などが運びこまれ敵地に、空からは自ら飛行機を操縦してパラシュートで下降して敵地に入り込みます。
陸からでも他の軍隊より真っ先に行くので「殴り込み部隊」とも呼ばれています。
場合によっては海や空での戦いもします。
しかし、戦闘艦や敵地に乗り込むための艦を所有していないので、輸送や指揮は海軍の担当となります。
他国に基地が存在する場合はそこから出動するため、基地にいる人員の多くが海兵隊です。
他国の場合の海兵隊
前述したように、海から敵地に上陸して戦うのは世界で共通しています。
しかし、アメリカのように独立している国は少なく、ほとんどが陸軍か海軍の中の一部隊という立場です。
その場合は「海兵隊」ではない別の名前を使っていることもあります。
海軍陸戦隊、海軍歩兵、水陸両用軍団など、その国独自の名前が付けられています。
日本では陸上自衛隊の中に離島防衛部隊として西部方面普通科連隊があります。
戦闘ではなく偵察などに特化した部隊です。
近年、海兵隊のようなしっかりした機能が必要だとされ、2018年には陸上自衛隊に、海兵隊に近い機能を持った水陸機動団が新たに編成される予定です。
まとめ
海軍は海上戦のみを、海兵隊は陸上戦を、アメリカ海兵隊においては陸海空全ての戦闘を得意としています。
船から陸上を攻めることが難しかった時代に生まれ、戦闘艦として進化した今もその力は重要視されています。
こうして見ると、国によっては確かに海軍の一部ではあるのですが、その機能は別と考えた方が良いでしょう。
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