いつも口にしている言葉ほど、意外なところに違いはあるものです。
上で示した2つの意味の違いがあることすら、気づかないで過ごしてきました。
同じように考えて使いがちですが、厳密な使い分けがある言葉について紹介していきます。
「栄養」と「栄養素」の示す範囲は?
どちらも家庭科の授業で遠い昔に学習したような記憶はうっすらとあります。
いったいどんな違いがあるのかを調べていきたいと思います。
「栄養」という言葉の意味は?
風邪を引いたので栄養のあるものを口にするに見られるように、
広い意味では、私たちが想像する滋養に富んだ食品の意味を含んでいます。
ここでは、あくまでも厳密に区別していくため上の意味を除外して考えていきます。
20世紀の初頭くらいまでは「営養」と表記されていました。
こちらの熟語表記の方が、いくらか意味を捉えやすいような気がします。
養分を営むと書いて「営養」ですから、取り入れた食物をエネルギーに変換する活動を指しています。
「栄養」とは、個々の食物がもつ働きを示すのではなく、生命維持に必要な活動を表しています。
「栄養素」が示す意味は?
栄養の素になるものと書いて、「栄養素」です。
つまり、栄養という活動を行っていくために栄養素は存在していると言えます。
もっと分かりやすく説明すれば、食べ物に含まれる成分の要素を表しています。
子どもに人気のあるイチゴを例に挙げてみましょう。
イチゴには、ビタミンCという栄養素がなんと100gあたり60g~80gも含まれていると言われます。
ビタミンCは、多くの代謝にとって必要不可欠なもので、特にコラーゲンの生成に深く関わっています。
栄養素は、個々の食品がもつ成分を示しており、消化や吸収などの活動を表すことはありません。
まとめ
「栄養」とは、狭い意味では、食物を取り入れてからエネルギーとして使われる一連の過程を示します。
「栄養素」とは、1つ、1つの食べ物がもっている特徴的な要素を示しています。
どちらも大差がないように考えていましたが、こんな結果になり驚いています。
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