もしかすると、現代人のほとんどは「イナゴ」を見たことがないかもしれません。
戦前・戦中は食用とされた虫のようですが、現代ではほとんど見かけることはないでしょう。
一方、「バッタ」は草むら等でピョンピョンと跳んでいる姿を見かけたことがある人も多いかと思います。
とはいえ、「バッタ」と「イナゴ」の違いを聞かれても明確に知っている人は少ないのではないでしょうか?
というわけで、今回は「イナゴ」と「バッタ」の違いについて見ていくことにしましょう。
イナゴとバッタの違いについて
イナゴとは
まず、「イナゴ」を辞書で調べると「田んぼや畑に住む昆虫で、体は緑色か茶色でイネの害虫。食用にもなる。」虫とされています。
また、「イナゴ」はバッタ科の虫であり、後脚が発達しているためバッタのようによく跳ぶことが出来るそうです。
田んぼで簡単に捕獲出来たことから食用になっていた歴史があり、味も程よい甘さがあるために、串刺しにして炭火で焼いたり、鍋で炒ったり、佃煮にしたりしていたようです。
今でも食べている地域があるかもしれませんね。
バッタとは
次に「バッタ」を辞書で調べると「秋のころ、草むらに多い昆虫。後ろの一対の足が長く、よく跳ねる。」虫となっています。
また、「バッタ」もバッタ科の虫で、「イナゴ」と同じように後脚が発達しているため跳躍力があります。
さらに「バッタ」の幼虫が稲の葉を食べてしまうので害虫としても認識されているようです。
ただ、「イナゴ」のように食用出来るかというとそうではなく、苦い上に硬いため食用には適さない虫といわれています。
ちなみに、日本で良く見られれる「バッタ」の仲間には、「イナゴ」の他にショウリョウバッタ、オンブバッタ、トノサマバッタ等がいます。
つまり、「イナゴ」は後脚が発達し体色が緑や茶色の田んぼや畑に住んで稲を食べる害虫ですが、食用としても活用できる昆虫であり、「バッタ」は後脚が発達したよく跳ねる緑や茶色の体色の昆虫で草むらや田んぼに住んで稲の葉を食べるため害虫としても認識されている虫であるといえます。
結果として「イナゴ」も「バッタ」もバッタ科の虫であることから、「イナゴ」も「バッタ」に含まれるといえるでしょう。
ただ、「イナゴ」よりも「バッタ」の方が羽が発達しているため飛行距離が長いといわれています。
そうした羽の発達の違いのため、「イナゴ」よりも「バッタ」は苦みが強く硬いため美味しいとはいえずに食用にされなかった歴史があるようです。
キリギリスとの違い
「イナゴ」と「バッタ」の違いを見てきましたが、それでは似たような昆虫である「キリギリス」との違いは何なのか見ていきましょう。
アリとキリギリスでお馴染みの「キリギリス」ですが辞書で調べると、「キリギリス科の長い触覚を持つ昆虫。イナゴに似て大形で、ギースチョンと鳴く。」虫となっています。
「バッタ」や「イナゴ」と同じように体色は緑か茶色ですが、脚と触覚が異常に長い昆虫です。
また、「キリギリス」は植物の種や花粉、小さな虫を餌とするため害虫と認識されることはなく、また食用にもされていません。
つまり、「キリギリス」も体色が緑か茶色なので「イナゴ」と「バッタ」に似た色の虫ですが、脚と触覚が異常に長いためそこで区別することができます。
また、害虫ではなく食用にもされない昆虫であることから、そこが「イナゴ」や「バッタ」との大きな違いといえるでしょう。
まとめ
今回はイナゴとバッタの違いについてご紹介しました。
イナゴは、バッタ科の昆虫で緑や茶の体色をしており後脚が発達した食用としても活用できる昆虫ですが、田んぼや畑に住んで稲を食べる害虫です。
一方、バッタはバッタ科の緑や茶の体色をし後脚が発達したよく跳ねる虫ですが、草むらや田んぼに住んで稲の葉を食べる害虫です。
イナゴもバッタ科であるためバッタに含まれるといえるようですが、バッタはイナゴのように美味しくなく食用として活用されないため、厳密には違う虫として区別されているようです。
今回は以上になります。
ご参考になれば幸いです。
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