よくニュースで聞く「政治家」という言葉。
「政治家」というと政治の世界で活躍している人というイメージが強いですが、同じように使われている言葉に「代議士」というものもあります。
この2つの言葉、どちらも同じ意味と捉えがちですが違いは一体何なのでしょう?
そこで、今回は政治家と代議士の違いについてまとめてみました。
政治家と代議士の違いについて
政治家とは
まず「政治家」の意味を辞書で調べると、「国会議員・地方議会議員など、自分の政見を直接政策上に反映させることのできる立場にある人」となっています。
職業として政治に関わっている人を指す言葉でもありますが、広い意味では政治活動をしている人全般を指す言葉のようです。
ただ、一般的に社会で使われている「政治家」の意味は、「政治活動をしながら自分の政見を直接政策上に反映させられる立場の人」のようです。
代議士とは
次に「代議士」ですが辞書での意味は、「人民から公選され人民を代表して国会を組織する人のであり、衆議院議員の通称」となっています。
一般的に「代議士」とは衆議院議員を指す言葉として用いられています。
それでは、なぜ衆議院議員を「代議士」と呼ぶのでしょう?
これは戦前の帝国議会にまで話がさかのぼります。
現在の参議院を帝国議会の際には、貴族院と呼んでいたことと関係しています。
貴族院の議員は、皇族議員・華族議員・多額納税者などの勅任議員からなり、国民の代表として選挙で選出されるのは衆議院議員だけでした。
そこで国民を代表して国会で議事に携わる人という意味から衆議院議員を「代議士」と呼ぶようになったという訳なのです。
その後日本国憲法の施行により貴族院は廃止され、代わりに参議院が国会を構成するようになりました。
参議院議員も国民の代表として選挙で選出されますが、大日本国憲法時代からの名残によって衆議院議員のみを「代議士」と呼んでいるようです。
つまり、「政治家」は政治活動をしながら自分の政見を直接政策上に反映させられる立場の人を指し、「代議士」は衆議院議員を指す言葉といえます。
しかし現在では、国会議員=「代議士」であるという誤解や、「代議士」の本来の意味である「国民を代表して国会で議事に携わる人」から、参議院議員を含めた国会議員を「代議士」と呼ぶようになってきてもいるようです。ただ、「代議士」という言い方は、衆議院議員に対してのみ使われてきた言葉であるがゆえに、ときに差別的な意味合いを持つこともあるため使用する際には注意が必要です。
国会議員との違い
「政治家」と「代議士」の違いについて見てきましたが、では「国会議員」とは何が違うのでしょう?
まず「国会議員」とは「選挙によって選ばれた人」のことを指します。
それゆえ「政治家」との違いは、選挙によって選ばれた人かどうかになります。
選挙で選ばれなくても「政治家」にはなれるからです。
また、「代議士」との違いは、「代議士」が衆議院議員を指す言葉であるのに対し、「国会議員」は衆議院議員と参議院議員両方の議員を指すために、そこが違いといえるでしょう。
まとめ
今回は政治家と代議士の違いについてご紹介しました。
政治家は政治活動をしながら自分の政見を直接政策上に反映させられる立場の人を指し、代議士は衆議院議員を指す言葉となります。
ただ、代議士という言葉はその歴史的背景からマイナスな意味として捉えられる場合もあるため、使用する際には注意が必要な言葉といえます。
代議士ではなく、衆議院議員と呼ぶのが無難といえるかもしれません。
今回は以上になります。
ご参考になれば幸いです!
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