リラックスタイムにハーブティーをゆっくりと頂く、または就寝前にアロマディフューザーを使用したアロマテラピーで心安らぐ香りを楽しむなど様々な利用法で生活に役立つハーブです。

ハーブと聞いて、すぐにミントを思い浮かべましたか?

一度嗅いだら忘れられない爽やかな香りですよね。

ペパーミントのすっきりとした清涼感のある香りを嗅ぐと、体感温度が4℃も下がると検証されているほどですので、是非とも夏には常備しておきたいハーブです。

ミントは、文豪であり酒豪でもあった作家ヘミングウェイが愛したお酒・ラムベースカクテルのモヒートに使われることでも有名です。

また、バニラアイスを頼むと、アイスの上にチョコンと飾りのように載っていたり、有名アイスクリーム店のミント味アイスは病みつきになるとか、すっきりミント味の歯磨き粉などなど……数えきれないほど身近にミント製品は溢れています。

ですが、勿論、ハーブというものはミントだけではないんです。

ハーブ ミント 違い

ハーブはハーブ。ミントはハーブ

リラックス目的や、フローリングや家具の拭き掃除に利用できたり、害虫除けや害獣除け、手指の滅菌や料理のスパイスに活用するなど様々な目的に使えるハーブ。

実は、「ハーブ」の中に、「ミント(という名のハーブ)」が含まれているんです。

では早速、ハーブとミントの違いを見ていくことにしましょう。

ハーブはハーブ

ハーブ(Herb)の語源は、ラテン語で「草(Herba)」を意味することから来ています。

ひとことで言ってしまえば、香草や香味草のことを指し、料理の香辛料に用いたり、煎じて飲んで民間療法の病気治療に用いられたり、香りを嗅ぐことでリラックス効果を得るなど、その利用法は幅広いものです。

葉や茎、果皮や種子や花を使用目的別によって使い分けることができます。

繁殖力が強く、放っておいても生育していくハーブには、セージ、タイム、ナスタチウム、バジル、「ミント」などがあります。

気軽にベランダ栽培できるものとしてミントがよく挙げられます。

代表的なハーブの種類には「ラベンダー」、「ローズマリー」、「タイム」、「オレガノ」、「バジル」、「ミント」、「カモミール」、「クレソン」などがあります。

例を挙げて、その特徴などを説明しますと……

  • ラベンダー:眠気を誘うハーブとして有名です。その香りを嗅ぐと、気持ちを落ち着けて穏やかな眠りに導くとされています。ピローやポプリにして、寝室に置きましょう。
  • ローズマリー:刺激のあるスパイシーな香りが特徴で、滅菌効果や集中力を高める作用があるとされています。ハーブティーや香辛料などに利用されることがよくあります。
  • タイム:強い滅菌作用があります。香辛料として有名で、フランスの煮込み料理の香り付けのため、パセリやタイムなどの数種類のハーブを束ねたブーケガルニに使われます。
  • オレガノ:スパイシーな香りが特徴で、トマトとの相性はばっちりです。ピザなどに使います。また、神経性の痛みを和らげる効果があるので、頭痛や生理痛に効くとされます。
  • バジル:目にも鮮やかな緑の葉と、独特な香りと味をもつハーブです。イタリア料理によく用いられ、パスタやピザに多用されます。バジルをペースト状にして、パンに塗って食べても美味しいです。
  • ミント:生命力の強いハーブで、簡単に栽培、生育できます。ミントティーやお菓子の香りと飾り付けや、カクテルのモヒートに使われます。その香りを吸い込むことで鼻詰まりの解消が期待できます。
  • クレソン:ぴりっとした爽やかな辛みが肉料理の付け合せ野菜の代用としてよく合います。
  • カモミール:就寝前にハーブティー(カモミールティー)として飲むことで、ゆったりと落ち着いた気持ちになり、穏やかな眠りに誘ってくれます。

マグレガーさんの農場で野菜を盗み食いしているのが見つかったピーターラビットは危ういところで逃げ帰りましたが、その後、具合が悪くなってしまいました。

ピーターのお父さんはマグレガーさんの奥さんに肉のパイにされてしまったのですから、捕まりそうになったピーターの具合が悪くなるのも無理ありません。

ベッドの中にすっこんで震えているピーターに、母親うさぎがカモミールティーを与える印象的なお話し(挿絵)が思い出されます。

日本での代表的な和のハーブとしては、シソやショウガ、ワサビ、ドクダミ、ヨモギなどが挙げられます。

現在のように西洋薬が普及していない頃は、ドクダミを傷口に貼って膿みを出し、ヨモギの葉は止血剤として使っていました。

また、紀元前2000年頃の古代エジプトでは、ハーブをミイラの防腐剤として使っていたそうです。

ハーブには、本当にいろいろな使用法があるものですね。

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ミントはハーブ

ミント(mint)とは、ユーラシア大陸原産のシソ科ハッカ属の多年草です。

前章で述べた通り、「ハーブ」という一括りの中の一種類が、「ミント」というハーブなのです。

ミントの名の由来はギリシャ神話に登場する妖精の名前のミンテ(Minthes)から来ています。

「冥界の王ハデスは、美しい妖精ミンテに心奪われてしまいます。それを知ったハデスの妻のペルセフォネは嫉妬し、ミンテを踏み潰してしまいました。それを哀れに思ったハデスは、ミンテを爽やかな香りを放つ花に変えてやりました。以来、その花をミントと呼ぶようになったそうです」

ミントは繁殖力が大変強く、鉢ではなく地上に植えれば、駆除に大いに手間がかかるほど勝手に増殖し、しばしば雑草扱いされることもあるそうです。

葉には、爽快感と冷涼感を与えるメントール成分が豊富に含まれています。

料理やキャンディなどの菓子製品、歯磨き粉などの利用のほか、精油(ハッカ油)はアロマテラピーに使用したり、害虫がミントの香りを嫌うといわれているため虫除けにも利用されます。

ミントには多種多様の種がありますが、代表的な品種としては、ペパーミント系とスペアミント系などがあります。

ペパーミント系はメントール含有量が多いので香りも強く、お菓子(ガムやキャンディ)などに多用されます。

スペアミント系は、ペパーミント系に比べれば香りは若干弱く、やはり、お菓子や歯磨き粉などに多用されます。

スペアミントの「スペア」は、槍先(spear)の意。葉が槍先のような形をしています。

ミントの主成分であるメントールにより、消化促進や健胃、解熱や発汗を促す、また体臭や口臭予防効果が期待できます。

シャンプーやボディシャンプーにメントール成分が入っていると、使用量によっては清涼感を飛び越え、冷感すら感じるほど。

メントール成分は鎮痛、消炎作用もありますので、バップ剤にも使われます。

豆知識

一般的には健康に良いと認識されているハーブですが、妊娠中、授乳中は禁忌とされており、更に、ハーブの飲みすぎによる弊害や、ご使用中の薬との飲み合わせによる弊害、またアレルギー症状が出る可能性のあるハーブもあります。

たとえば、ピーターラビットが飲んでいたカモミールですが、これはキク科のハーブです。

ブタクサなどで花粉症が出る方は、キク科のハーブに対してアレルギー反応が出ることがあるのでお気をつけください。

まとめ

ハーブとミントの違いを見てきました。

「ハーブ」という香草の分類の中に、「ミント」というハーブが含まれているのですね。

ミントを含め、適宜適量をご自身の用途に合わせて使うことで、ハーブは有効的に活用できます。

あまり薬に頼りたくない人にとっては、ハーブを生活に取り入れるスタイルはとても合っているでしょう。

眠れないときはラベンダー、頭や鼻詰まりをすっきりさせたいときはミント、ハンガリーの美貌の王妃エリザベートに倣って、ハンガリー・ウォーターの原料であるローズマリーを、日々のアロマテラピーに取り入れたりするのも素敵です。

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