たまにはイタリア料理でもと思い立ち、食材を集めていると、クレソンもルッコラもあまり馴染のない野菜だけに「あれ?ルッコラを使うんだっけ、クレソンだっけ?」と迷うこともあるかもしれません。

そんな場合に備えて、ルッコラとクレソンの違いを調べてみました。

ルッコラ クレソン 違い

サラダにするのか、付け合せにするのか。ルッコラとクレソンの違いって?

ルッコラもクレソンも、アブラナ科の香味野菜というのは同じです。

共にイタリア料理などに使われますが、主にサラダに利用されるのが「ルッコラ」で、食欲増進目的として、肉料理の付け合せなどに使われるのが「クレソン」というイメージがあります。

ひとくち噛んでみると、ルッコラもクレソンも同じようにぴりっとした辛みが感じられます。

次に、葉の形状や栄養素などの違いなどを詳細に見ていきましょう。

ルッコラ

ルッコラは、地中海沿岸原産のアブラナ科キバナスズシロ属のハーブの一種です。

スズシロとは、大根の昔の呼び名のことで、春の七草(セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ)にも入っていますよね。

スズシロは「清白」とも書きます。

ルッコラは、炒ったゴマの香りに似た香りと大根に似たぴりっとした辛みや苦みが特徴です。

葉は濃緑色で、本葉の形状は大根の葉によく似たギザギザ感のある細長い葉になります。

園芸分野としては英語のrocket(ロケット)として知られていました。

その名残なのか、サラダにして食べる場合、「ロケットサラダ」と呼ばれることがあります。

サラダにする場合、若採りした葉を使います。

成熟すると、香りがきつくなりすぎるからです。

正式な名称はルッコラ・コルティヴァータ(Rucola Coltivata)で、イタリア料理の普及が日本で進むにつれ、「ルッコラ」として、その名を知られるようになりました。

葉をサラダにして生食するのが一般的な食べ方です。

後述するクレソンなどと一緒に混ぜ合わせてサラダにしたりもします。

イタリアでは、ピザの具材に使うのも一般的です。

日本では、油炒めやおひたし、和え物などにも利用されています。

インドでは、種子から採取した油をピクルスに利用したり、種子を砕いてハーブティーにして飲んだりするそうです。

また、世界三大美女として有名なクレオパトラが、その美貌を保つためにルッコラを好んで食べていたと言われています。

栄養成分は、ビタミンC(ほうれん草の約二倍)とビタミンEが豊富に含まれています。

ビタミンKと葉酸の成分も多く含まれています。

古代ローマでは、ほれ薬の効果があると信じられてきた所以からか、ルッコラの花言葉は、「競争」・「私に振り向いて」です。

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クレソン

クレソン(オランダガラシ)はヨーロッパから中央アジアの原産のアブラナ科の多年草で、水中または湿地で生育します。

繁殖力は旺盛で、切った茎を水中に浸けておくだけで簡単に根が出て育っていきます。

汚水の中でも容易に繁殖しますので、野生化のきっかけは不忍池に茎の断片が流入したものが根付いたといわれており、それを東京上野のレストラン精養軒が料理に利用したという逸話があります。

少し癖のある爽やかな辛みと、ほのかなほろ苦さが特徴です。

葉の形状は、黄みががった綺麗な緑色で、ちょっと丸みを帯びたハートの形をしています。

前述に述べたルッコラと一緒に混ぜ合わせてサラダにして食べたり、若採りの茎と葉を茹でて、肉料理の付け合せにして利用したりします。

また、おひたし、ごま和え、天麩羅などにしても食べられています。

ユダヤ教の「過ぎ越しの祭り(パスオーバー)」の料理に使われたとされています。

「過ぎ越しの祭り」は、エジプトにおいて奴隷の身分として抑圧されてきたユダヤの民が、モーゼの先導によって脱出し、自由な民になったことを祝うお祭りです。

数ある祭日の中で最も人気のある祭日です。

栄養成分は、ビタミンKの含有量が多く、特筆すべきはモリブデンという栄養素の成分が高いことが挙げられます。

モリブデンは、クロム族元素(エメラルドの緑の色やルビーの赤い色はクロムの作用によるもの)の一つで、海水、動物の体液、土壌にもごく少量ですが含まれています。

モリブデンは、元来、植物にとっては不可欠な要素であることは知られていましたが、近年、人にとっても微量必須元素と認められるようになりました。

普通の食事をしていれば十分な量を摂ることができるので、欠乏症の心配はありません。

グルコースの代謝に関係しているとされます。

汚水の中に置かれても繁殖力の強さを誇る所以からか、クレソンの花言葉は、「不屈の力」・「忍耐力」などとなっています。

豆知識

アメリカ疾病予防管理センターが2014年に発刊した機関誌によると、栄養素の高い野菜ナンバー1の栄光に輝いたのは「クレソン」でした。

ちなみに「ルッコラ」は18位の位置づけなので、ルッコラ好きの方には不満な結果と言えましょう。

まとめ

いかがでしたか?

ルッコラとクレソンの違いと特徴がわかれば、イタリア料理に始まってさまざまな料理に活用できること請け合いです。

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