「解放」と「開放」は、どちらも「放つ」意味を持っています。

「カイホウ」という言葉を聞いて浮かぶのは、「奴隷カイホウ」や「校庭カイホウ」などです。

この場合は、どちらをあてれば良いのでしょう。

少し考えれば分かります。「校庭カイホウ=校庭開放」、「奴隷カイホウ=奴隷解放」ですね。

では、なぜその漢字なのでしょう。「その四文字で見慣れているから」では、理由になりません。

その違いは、どんなことでしょう。

一見、見慣れた漢字で、よく耳にする言葉ですが、先ほど上げた2つの言葉以外にもたくさん使われていると思います。

それは、意味があって使い分けられているに違いありません。

「解放」と「開放」の違いについて、詳しく調べてみたいと思います。

解放 開放

「解放」について

・「解放」の辞書の意味

身も心も自由になること

制限や束縛から自由になること

・「解放」の一般的な使い方

ストレスから解放された

人質の身から解放された

子育てから解放された

高い山では都会を離れて解放感がある(縛りから解かれる)

・・・など

「開放」について

・「開放」の辞書の意味

扉(ドア)や窓などを開けること

誰もが自由に出入りできたり利用できたり、制限も禁止もせずに許可すること

・「開放」の一般的な使い方

強風のため開放禁止

校庭を開放する(校庭開放)

開放的な家庭(=オープンな家庭)

・・・など

※「開放的(⇔閉鎖的)」はありますが、「解放的(⇔×)」という言葉は辞書にはありませんし、対義語もありません。

一方、「解放感(⇔拘束感)」はありますが、「開放感 (⇔×)」という言葉は辞書にはありませんし、対義語もありません。

「ここは開放的な場所である」とはいいますが、「ここは解放的な場所である」とはいいませんし、「ここは解放感がある場所」とはいいますが、「ここは開放感がある場所」とはいいません。

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まとめ

「解放」と「開放」には、とても大きな違いがありました。

「解放」は、苦痛や縛りなど、自分の意思に反して束縛されているところからの「解き放ち」を表し、「解放」された人は、生き返った思いになるほどの大きな意味を持つ言葉でした。

それに比べて、「開放」は、単純に閉まっていた場所や物が、開いたり、空けたままになったりする「自由な行動の許可」で、選択の自由は自分にありました。

この2つの言葉は、同じ音の言葉ですが、人としての「自由」に関わる意味を持つ言葉だということを覚えておきたいと思います。

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