テレビのニュース番組や新聞の政治・社会面を見て、不思議に感じたことはないでしょうか。
同じ人を「総理大臣」と言ったり「首相」と言ったりするのはなぜ?という疑問です。
確かに同一人物をある場面では「総理大臣」と呼び、違う場面では「首相」と呼びます。
この二つの違いはどのようなものでしょうか。
今回は、総理大臣と首相の違いについて見ていきます。
内閣総理大臣の略称と通称
総理大臣も首相も行政権のトップを表す「内閣総理大臣」を指しています。
内閣総理大臣という呼び方の内、総理大臣は略称で首相は通称です。
つまり、同一人物の呼称が場面により変わっていたとしても間違いではありません。
そうすると次に、同じなら一つの呼び方で良いのでは?という疑問も浮かんできますね。
ここからは、それぞれの呼び方について見ていきましょう。
総理大臣
正式名称「内閣総理大臣」の略称で、「司法・立法・行政」を定めた三権分立の行政を担当する内閣のトップです。
三権分立とは、権力が集中し独裁が起こらないように三つに権力を分けたものです。
法律を作る立法は国会が担当し、法が守られているかの判断は司法を担当する裁判所が担います。
総理大臣は確かに行政のトップではありますが、全部を1人で決定することはできません。
あくまでも選ばれた代表であるため、あらたに決まり事(法律)を作る場合には、立法を担当する国会の決議が必要となります。
首相
「内閣総理大臣」の通称で、「内閣の首席大臣」の首と相を合わせています。
首の部分は分かるけど、大臣と相は?と思う方もいるでしょう。
これは、財務大臣を財相と言うように、相は大臣を表しています。
総理大臣と首相が使い分けられているのは、聴き間違いを少なくし正確に伝えるためです。
「財務相」と「財務省」の区別を明確にするため呼称を「大臣」としたように、首相も総理大臣または総理と呼ぶようになりました。
また、ニュース番組など読み上げる音の場合は総理大臣、新聞などの文字の場合は首相が用いられることが比較的多いです。
まとめ
今回は、総理大臣と首相の違いについて見てきました。
それぞれ略称と通称の違いで内閣総理大臣の呼称でした。
なぜこういう呼び方をするのか、またメディアによって使い方に違いがあることをお伝えしました。
この点を意識してニュースを見ると、また違った視点で見ることができ面白いと思います。
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