製造工程、製造業、製造物責任など社会で広く使われている「製造」という言葉。
一方の「生産」も生産地、生産量、国民総生産などよく使われている言葉です。
文字から想像すると「製造」も「生産」も「物をつくり出す」という意味に捉えられるため、違いがハッキリしません。
というわけで、今回は製造と生産の違いについて見ていくことにしましょう。
製造と生産の違いについて
製造とは
まず「製造」の意味を辞書で調べてみると、「原材料や粗製品を加工したり組み立てたりして、製品を(大量に)作ること」となっています。
「製造」が使われるのは、工業製品など材料に手を加えて完成品を作る場合がほとんどです。
それゆえ、「製造」は材料から加工や組み立てを行って製品を作ることだといえます。
生産とは
つづいて「生産」ですが辞書で意味を調べると、「人間生活に必要な品物を作り出すこと」となっています。
つまり「生産」は、工業製品だけでなく農産物や食品など生活に必要なもの全てを作り出す際に使われている言葉なのです。
また、「製造」とは違い、サービスや付加価値など「もの」以外のものを生み出す場合にも使われています。
それゆえ、「生産」は「人間生活に必要なもの全てを作りだすこと」を意味するため、「製造」を包括した言葉といえるでしょう。
「生産」の中に「製造」も含まれる訳です。
つまり、「製造」は材料から製品を作ることを指し、「生産」はものを作りだすこと全般を指すといえるでしょう。
製造技術と生産技術
「製造」と「生産」の違いについて見てきましたが、それでは製造業でよく使われる「製造技術」と「生産技術」の違いについても見ていくことにしましょう。
会社によっては同じことを指す場合もあるようですが、厳密には違う意味を指す言葉です。
まず「製造技術」は、「原材料や製造方法の検討、効率的な生産を図るための技術向上を研究すること」です。
高品質のものを同じ品質で継続的に量産することが最大の使命であり、時には低コストで製造するために原材料メーカーとの折衝も行う場合もあります。
一方「生産技術」は、「より早く・安く・多く作るかを考えること」を指します。
つまり、「生産技術」は「生産性を上げる仕組みを考えること」なのです。
無駄のない人員配置や設備レイアウト、安定した生産ラインの構築や生産プロセスの開発と改良等、技術面から見る生産コストの削減について考えることを指します。
つまり、「製造技術」は「原材料や製造方法の検討などを行いながら、高品質なものを同じ品質で効率的・安定的に生産するための技術向上の研究」を指し、「生産技術」は「生産性を上げる仕組みを考えること」を指すのです。
それゆえ、「製造」と「生産」の関係と同じように、「製造技術」は「生産技術」の一部に含まれているといえるでしょう。
まとめ
今回は製造と生産の違いについてご紹介しました。
製造は材料から製品を作ることを指し、生産はものを作りだすこと全般を指す言葉だといえるでしょう。
「製造は生産に含まれる」と考えると分かりやすいと思います。
今回は以上になります。
ご参考になれば幸いです!
今のあなたにおすすめの記事