「カフェ」と聞くと現代風、「喫茶店」と聞くと昭和レトロな店を想像しませんか?
Wi-Fiも電源も完備でモバイル使い放題。
ネットで逐一情報を仕入れたら、眼精疲労+お腹も空いた。
パスタとコーヒーで小腹を満たし、柔らかな日差しの差し込む洒落た店内で、疲れた頭と体をのんびり癒やそう、この「カフェ」で。
ちょっと沈み込みがちのレトロチックな真っ赤なビロードソファに身を預け、誰でも閲覧可能な新聞を席まで持っていって黙々と読みながら、舌の焼けそうな熱いコーヒーを飲む。
ふと窓に目をやると、少し色褪せた重厚なカーテンの両側が、房付きタッセルで留めてある。
「喫茶店」の窓には細かな雨粒がポツポツと……
おっと、いけない!
イメージだけで両者の違いを語って終えるところでした。
目次
「カフェ」であれ「喫茶店」であれ、それぞれが法の決まりに従っている
「カフェ」と「喫茶店」には明確に定められた法規的な決まりが違います。
飲食店を開業するにあたり、「飲食店営業許可」と「喫茶店営業許可」という申請書を提出するのですが、その営業許可申請の取得の違いにより、アルコール営業の許可を貰えるか、アルコールは不可なのか、が違ってきます。
各々、もう少し見ていきましょう。
カフェについて
カフェの定義は、コーヒーを主体としつつも、その他の飲料も提供できる飲食店です。
公認された「カフェ」としての形態で飲食店を開くにあたっては、「飲食店営業許可」を保健所に申請し、取得する必要があります。
カフェに限らず、レストランやバーや居酒屋などの飲食店の大半は、飲食店営業許可を取得しています。
無事に取得できれば、店で提供する飲み物のメニューにアルコールを加えることができますし、材料を刻んで煮炊きするなどの調理した料理(俗に「カフェ飯」と呼ばれる)を出すことができます。
飲食店営業許可を取得したにしろ、必ずしもアルコールや調理した料理を提供しなくてもよく、「カフェ○○」などと、店名に必ずカフェを付けて名乗らなければならないという決まりもありません。
カフェには、セルフサービスの店が多いのも特徴です。
カフェメニューには、パスタ、モーニングセット、ケーキなど。
カフェのバーメニューには、ビール、カクテル、ワイン、卵焼き、ピザや焼きそばなど。
客のニーズに合わせ、予約すればパーティもできるなど、様々な嗜好目的を併せ持った複合カフェも話題になっています。
以下のような種類があります。
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インターネットカフェ
店内に、ネット環境が整備されたパソコンが置かれているカフェ。
パソコンを所持していない人や、気軽にネット環境を楽しみたい人などが訪れます。
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猫カフェ
店内で、自由気ままに放し飼いにされている猫たちと触れ合い、かつ飲食を楽しむこともできるカフェ。
衛生上の観点から、触れあいスペースと飲食スペースを分けている所も多いです。
似たような形態に「うさぎカフェ」、「犬カフェ」、「鳥カフェ(インコや小鳥)」、「ふくろうカフェ」、「ハリネズミカフェ」などがあります。
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教会をテーマにしたキリストンカフェ
荘厳な教会を思わせる装飾美が特徴のカフェ。
女子会が開けるスペースがあるところも。
結婚式も挙げられるカフェもあるそうです。
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アニメとコラボしたカフェ
ガンダムや、キラキラプリキュアアラモードなどのアニメ作品とコラボしたカフェ。
熱狂的なファンから支持を得ることは請け合いです。
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お風呂カフェ
風呂のみならず、食事もできるお洒落なカフェ。
漫画読み放題、ワーキングスペースで仕事も可能、帰りたくない人は宿泊もできるとか。
カフェというよりは、宿泊施設寄りです。
喫茶店について
喫茶店の定義は、コーヒーや紅茶など(アルコールを含まない飲料)や、菓子・果物を含む軽食を提供する飲食店です。
公認された「喫茶店」としての形態で飲食店を開くにあたっては、「喫茶店営業許可」を保健所に申請し、取得する必要があります。
前述の「飲食店営業許可」を取得するより、「喫茶店営業許可」の方が取得しやすいですが、アルコール飲料は提供できませんし、加熱する程度の単純な料理しか出せません。
喫茶という呼び方は、元は鎌倉時代に中国から伝わった茶の作法だったそうです。
時を経て、1920年代の日本に喫茶店ブームが湧き起こりました。当時は、一杯のコーヒーが10銭(およそ600円から700円)だったそうですよ。
1950年代後半には、ジャズ喫茶や名曲喫茶などが大流行しました。
名曲喫茶はクラシックをレコード盤にて鑑賞し、その音源を堪能する喫茶店です。
デジタル音源化された音に比べ、レコードから放たれる音はまろやかで耳に心地よいとか。
音楽を楽しむための名曲喫茶は、おしゃべり禁止の店も多いそうです。
一般的な喫茶店のメニューとしては、ミックスジュースやプリンアラモード、アイスクリーム、コーヒー、コーラ、クリームソーダなどが挙げられます。
まとめ
営業許可の違いにより、カフェと喫茶店が分けられることがわかりました。
明治末から昭和初期にかけて、女給が接待した飲食店のことを「女給カフェ」と呼びました。
それに似た呼び方として、現代でも「メイドカフェ(メイド喫茶とも言う)」というのがありますね。
また、家に居ながら「カフェ」や「喫茶店」のラテを再現したい人のために、百均コーナーで購入できるミルクフォーマーで、手軽で本格的なラテを作ることができるそうです。
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