「おかき」や「せんべい」って、突然食べたくなりませんか。
熱い日本茶を飲みながら、「おかき」や「せんべい」を食べる瞬間、「あー、日本人だなー」って思ってしまうのは、私だけでしょうか。
売り場には、たくさんの「おかき」と「せんべい」が並びますが、正直、区別がつきません。
同じ様に見える「おかき」と「せんべい」ですが、何か違いはあるのでしょうか。
調べてみましょう。
「おかき」と「せんべい」のイメージってどんな感じですか。
私の場合は、「おかき」には、醤油ベースの味のイメージがありませんが、「せんべい」は、しょう油たっぷり味のイメージがあります。
「おかき」と「せんべい」の違い・・・本当は、どこにあるのでしょう。
目次
「おかき」について
おかきの誕生には、複数説があります。
一例をお話しします。
江戸時代に伝わった説
「煎餅」が江戸に伝わったのと同じ頃、関西の農家では、餅米が盛んに作られていました。
そこで、保存食としての「かき餅」から、「おかき」ができたという説です。
平安時代の供え物説
平安時代には、「餅鏡(モチカガミ)」と呼ばれる大小の平たい餅を重ねて供える風習がありました。
餅には、神力がこもっていると信じられていて、それを神に供えることは、最高に御利益があると考えられていたために、鏡開きにその餅を下げて、刃物で切るのではなく、木槌などで叩いて割ったり、手で欠(カ)いたりしたことから、「かき(欠き)餅」と呼ばれるようになりました。
その後、室町時代には、宮中の女房言葉(京言葉)で、「おかき」と呼ばれる様になったという説です。
おかきの原材料とデンプン
- もち米:赤飯やちまきの原料と同じ品種の「ヒメノモチ」や「コガネモチ」などです。
もち米に含まれるデンプンは、「アミロペクチン」といい、その割合は100%です。
炊くと、強い粘りが出るので、「おかき」に向いているということです。
製造過程で特徴的に違うところ
おかきは、「機械での工程」が多い様に思います。
出荷の時の「包装」、「乾燥剤を入れる」など、仕上げは手作業です。
「せんべい」について
せんべいは、漢字では「煎餅」と書きます。「餅」という字が使われ「ビン(ピン)」と読み、誕生は中国で、「チエンビン(チェンビン)」と発音し、中国での意味は、「小麦を原料として作ったもの」というそうです。
元々は、小麦を使ってせんべいを作っていたことになります。
日本伝来には、複数説があります。
一例をお話します。
日本に入ってきたのは、「江戸時代」説
江戸末期までは、中国に習い、せんべいは小麦粉で作っていた様です。
ですが、農民が、白米にするには余りにも粗悪な米を粉にして、塩水でこねて焼いたことが原型となって、「草加煎餅」ができ、全国に普及したという説です。
日本に入ってきたのは、「飛鳥時代」説
中国から日本の飛鳥時代に伝わり、小麦と水を合わせてよく練り、油で煎ったものが「煎餅」の始まりでした。
「煎餅=煎った餅」というわけです。
江戸時代になって、埼玉県の草加市に伝わりました。
その頃になると、白米を団子にして乾燥させた保存食としていたものが、塩と合わせる様になり、そのあと、しょう油の広まりの影響で、しょう油を塗る様になり、「草加煎餅」として販売され、ここから全国に広がったという説です。
せんべいの原材料とデンプン
- うるち米:白米にするのと同じ「ササニシキ」や「コシヒカリや「秋田こまち」などです。
うるち米に含まれるデンプンには、「アミロース」と「アミロペクチン」の2種類があり、その割合は、「アミロース15~35%:アミロペクチン65~85%」です。
ご飯は、「アミロース」が原因で固くなるそうです。
「アミロース」の割合が多いほど「粘りが少なく、こしが強い」のだそうです。
製造過程(特徴的に違うところ)
せんべいは、「手作業での工程」が多い様に思います。
出荷の時の「包装」、「乾燥剤を入れる」など、仕上げも手作業です。
まとめ
「おかき」と「せんべい」の最大の違いは、原料の違いでした。
「おかき」は餅米から、「せんべい」はうるち米(お米)から、それぞれできていました。
また、「おかき」が、日本の古くは、神事に関係していたという説があることも分かりました。
「草加煎餅」が、せんべいの発祥というのも驚きでした。
今でも、せんべいの手焼き実演している店を見かけると、つい足を止めてみてしまいます。
皆さんも、せんべいやおかきで熱いお茶をする時、この記事を思い出してみてくださいね。
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