私達の日常の中には、たくさんの「円」と「丸」を目にすることができます。
「円」や「丸」を持つ品物を挙げれば切りがないほどです。
例えば1つ、どこの家にもあるフライパンは「円」でしょうか、「丸」でしょうか。
どちらも同じとしか思えません。
違いってあるのでしょうか。
「丸を描いてみよう」は、園児の時代に、「円を描いてみよう」は、小学校時代にやりました。
両方とも同じものを書いた記憶があります。
この2つについて、特に気にしたこともありませんでしたが、なぜ同じ様に思えるものに呼び方が2つもあるのでしょう。
「円」と「丸」の違いについて調べてみましょう。
「円」の辞書の意味
「円」は、平面(2D)の表現方法
①まる
②中心から左右に等しい半径(同じ長さ)を持つまる
③切り口が欠けた部分がない完全なまる
④欠けた部分がない完全なまる
⑤「穏やかな表情」や「性格」などの様子
・・・など
「丸」の辞書の意味
「丸」は、立体(3D)の表現方法
①完全な球状のもの
②完全ではない球状のもの
③答が合っている時の印
④全く同じ、全部
⑤文章の終わりに付ける句点
⑥「パ(ぱ)」行に付ける半濁点
・・・など
「円」の使い方
①平面(2D)のまるい形
・あの和室の窓は円い窓だ
・聖堂の天井は円い
・・・など
②切り口などが欠けた部分がない完全なまる
・家屋の円い柱
・お茶っ葉を入れる茶筒
③性格や状態
・円満な家庭
・あの人は円い(角のない)人柄だ
・問題は円く収まった
・・・など
「丸」の使い方
①欠けるところのない、どこから見ても完全な丸(全部)
・地球は丸い
・答案用紙の丸写し(完全一致)
・球状の薬(丸薬)
・・・など
②完全ではなくても球状のもの
・果物を丸かじりする
・ニワトリの卵は丸い
・背中が丸い
③全く同じ、全部
・問題を丸投げする
・公式を丸暗記する
・参考書を丸写しする
・・・など
文化審議会国語分科会(平成26年)の見解
「形が立体(3D)の丸(球)だけでなく、平面(2D)の円に対しても「丸」の漢字を使うことが多くなった」とありました。(出典:http://www.bunka.go.jp/)
「円」と「丸」のどちらでも良い使い方の例
・円い窓・丸い窓
・月が円い・月が丸い
・話を円く収める・話を丸く収める
・・・など
まとめ
色々調べると、確かに「円」しか当てはまらない言葉や、「丸」しか当てはまらない言葉がありましたが、使い方の違いがはっきりしない言葉も数多く見られました。
使う傾向としては、平面(2D)には「円」を、立体(3D)には「丸」を使う様ですが、切り口は「円」になりますから、とても迷うところの様です。
違いを意識するならば、「平面(2D)には「円」を、立体(3D)には「丸」を」を基本に考えて使い分けるのが良い様に思います。
とはいいながら、生活をする上では、あまり意識していないのが現状の様ですね。
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