「傘」と「笠」。
どちらも「かさ」と読む言葉ですが、日頃よく見かけるのは「傘」の方ですよね。
日傘やビニール傘、傘売り場など日常的に使われている「傘」。
一方の「笠」は、普段あまり見かけることがない気がします。
テレビの時代劇などで人がかぶっている「竹笠」が印象的ですが、「傘」との違いははっきりしません。
というわけで、今回は「傘」と「笠」の違いについてまとめてみました。
傘と笠の違いについて
まず「傘」を辞書で調べると「雨・雪・日光などを防ぐために、柄を手で持って頭の上にかざすもの。開けば半球面状になり、用の無い時はたたむ。からかさ、こうもりがさ、日かさなど。」となっています。
「傘を差す」など一般的な「傘」としての用途以外に、「松茸の傘」など傘のような形をしたキノコの上部を指す言葉としても使われています。
また、「アメリカの核の傘に入る日本」というように、何かの傘下に入っていることを表す言葉としても使われているようです。
次に「笠」を調べると「雨・雪・日光などを防ぐために、頭の上に載せる半球面状の大きなかぶり物。」となっています。
また、「塀など、屋外に立つものの上端にかぶせるものも指す」ようで、「電灯の笠」などのような使い方もされているといいます。
そして、「自分に有力な後ろ盾が有るのをいいことにして、大きな態度をとる。」の意味で「笠に着る」という場合にも使われていると分かりました。
さらに、「笠の台が飛ぶ」という表現で「首を斬られる」、「免職になる」という意味もあるようです。
どうやら「傘」も「笠」も、「雨・雪・日光などを防ぐため」のものですが、「傘」は「笠」のように直接頭の上にのせることはなく、柄があってそれを手に持ち頭上にかざすという特徴があります。
辞書にも「傘」は「差しがさ」、「笠」は「かぶりがさ」と言って区別されたという記述があったので、明確な違いは「差す」か「かぶる」かの用途の違いだといえます。
それゆえ、「傘」は柄の部分が付いていて手に持って頭上に差すもの、「笠」は柄の部分がなく頭にかぶるものだということになるでしょう。
キノコ類の「かさ」はどっち?
そうなると、「松茸の傘」のように「差しがさ」でないにも関わらず、キノコ類の上部を「傘」とするのはおかしいのでは?と考える人もいるかもしれません。
確かに以前は、キノコ類の上部は、手に持つよりも頭にかぶっているように見えるため、「笠」と言う漢字が使われていたそうです。
しかし最近では「傘」と表記することが増えており、「傘」も「笠」も両方使われているのが現状です。
つまり、現時点では明確にどちらが正しいかどうかは判断できないといえるでしょう。
まとめ
今回は「傘」と「笠」の違いについてご紹介しました。
基本的に「傘」は柄の部分が付いていて手に持って頭上に差すもの、「笠」は柄の部分がなく頭にかぶるものだということになります。
ただ、かぶりもののような形に見えるキノコ類の上部は「傘」と「笠」の両方が使われている現状があるため、どちらが正しい表記か判断できないものもあるようです。
今回は以上になります。
ご参考になれば幸いです。
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