上に挙げた2つとも日常会話の中で耳にすることは少ないような気がします。
どちらかと言えば、どちらも硬い印象のある言葉で、公的な場面で使われることが多いようです。
それぞれいったいどんな特徴があるのか、その違いについて迫りたいと思います。
「恐縮」と「僭越」の差は?
家族や友達との会話で使うことはありませんが、社会人なら一度は耳にしたことのある表現です。
これらの違いはどこにあるのか、具体例をもとにして考えていきます。
「恐縮」の意味は?
具体的な使用場面をもとにして、恐縮の意味を考えていきたいと思います。
遠いところ、亡き祖母のために足をお運びいただき恐縮しております。
大変恐縮ですが、風が冷たくなってきましたので窓を少し閉めていただけないでしょうか。
本来ならばこちらからお電話差し上げるべきところを、折り返し連絡していただき大変恐縮しております。
このように見ると、恐縮とは相手に迷惑をかけたり、相手の厚意を受けたりして心苦しく感じることを意味しています。
自分の立場を低くして、相手の行いを立てて表現する言葉で、いわゆる謙譲表現と言えます。
あくまでもポイントは、対象が話し相手であって自分ではないということです。
「僭越」の意味は?
僭越の意味は、次の例文を見ながら考えていきたいと思います。
誠に僭越ながら、このたびは総会の司会を務めさせていただくことになりました。
まだまだ若輩者の私が、この会を代表して僭越ながら挨拶させていただきます。
はなはだ僭越ながら、今回は私が社長になり替わりましてご挨拶申し上げます。
僭越とは、自分の置かれている立場、地位などを越えて何か行う際に使われる表現です。
このような低い立場の者が行うには力不足かもしれませんがといった含みが感じられます。
使用する際に大切なのは、自分のポジションなどを軸にして考えていくところです。
まとめ
「恐縮」とは、相手の行為に対して大変申し訳ないと感じる場合に使われます。
「僭越」は、自分の社会的な地位や立場などを離れて何か行う場合に使われる表現です。
意外と似ているようで、きちんとした使い分けがあったことに正直とても驚いています。
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