意識、無意識にかかわらず、私たちの生活は時間や時刻と密接な関係があります。
「約束した時間は守りなさい」や「現在の時刻は~」など、さまざまな場面で口にしたり耳にしたりしますね。
同じ意味合いと思われがちですが、それぞれのシーンで使い方が違うようです。
ここでは、この二つの違いについて見ていきましょう。
時間は時の長さ、時刻は瞬間を表現
時間の意味合いはいくつかあり、ある時刻から他のもう一つの時刻までの間の長さをあらわします。
また、区切られた時間の長さや、流れていく時間の瞬間を示す場合にも用いられます。
時刻は経過していく時間の一点、その瞬間をあらわしています。
この点から時刻は時間のなかのワンシーンと言えるでしょう。
次にそれぞれの使い方、表現の違いについて紹介します。
日常生活に見る時間・時刻の違い
時間の「ある時刻からもう一つの時刻までの間の長さ」を日常生活で見ると、「打ち合わせの時間まで喫茶店で時間をつぶす」やバレーボールの「時間差攻撃」などがイメージしやすいでしょう。
また「区切られた時間の長さ」は、「算数や国語の時間」や「勤務時間」が分かりやすいと思います。
流れていく時間の瞬間、ワンシーンをあらわす時刻は、「~が到着する」や「時刻も遅いから今夜は~」があり、日常耳にするのはアナウンサーの「ただいまの時刻は」または「時刻は何時をまわりました」が挙げられます。
文学作品に見る時間、時刻の使い方
数々の文学作品のなかにも時間や時刻という言葉が使われています。
文章に織り込むことで内容を読み手により分かりやすく伝えると共に、場面を印象づける効果が期待できます。
島崎藤村の「ある女の生涯」やアルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチの「罪人」では時間の長さを、小川未明の「ある夜の星たちの話」や芥川竜之介「アグニの神」では、そのシーンを演出する言葉として時刻が用いられています。
まとめ
ここでは似ているようで大きな違いを持っている時間と時刻の違いを見てきました。
無意識のうちに間違った使い方をしているかもしれませんね。
正しく用いることで、無用な誤解を避けたり好印象を与えたりします。
時の長さと瞬間の違いを再度意識してみてはいかかでしょうか。
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