「バイキング」と聞くと容易に、様々な料理が並べられた所から客が好きな料理や食べ物を好きに選んで好きなだけ食べられることを想像できますが、「ビュッフェ」と聞くと…「バイキング」と同じこと?「バイキング」を上品にした呼び方?違いなんてあったかしらと考えてしまいます。
大きく見るとそのイメージで半分は間違いではないのですが、細かく見ると違いが浮き出て来ます。
バイキングとビュッフェの大きな違いは生まれ方にある
混同されがちな両者ですが、その生まれは違っており、食事の形式やお会計の方法にも違いが出て来ます。
「ビュッフェ」は大体の国で通じますが、「バイキング」は日本でしか通用しない所も大きな違いと言えます。
バイキングは日本だけでの呼び名
その名の本来の意味は、ご存知の方も多いでしょうが、8~11世紀頃にデンマークやスカンジナビア半島を中心にヨーロッパ各地で暴れ回っていた海賊集団のことです。
それが何故、ここ日本で好きに食べられる店のことを指すようになったのかは、1957年にある日本人がデンマークで出会った食事形式がきっかけになっています。
彼は、既に調理されたものの中から好きなものを自分で選び、好きな分だけ取って食べるという形式を日本人にもやってもらおうと考えました。
そして日本で新しく作り上げたレストランにその形式を取り入れようとしました。
デンマークではその食事形式を「スモーガスボード」と呼んでいましたが、日本人には少々言い辛く、わかりにくい言葉だったために、そのまま使うのはためらわれ、北欧と言ったらバイキングという考えと、当時上映されていた「バイキング」という映画から受けた影響で、新しいレストランの名前に「バイキング」を付け加えました。
そのレストランでの食事形式(スタイル)という意味で、今日知られている「バイキングスタイル」、または「バイキング料理」となったのです。
では「ビュッフェ」とは?
フランス語での呼び方になります。
本来は「飾り棚」という意味で、その飾り棚に何種類もの料理を並べて、そこから自分で好きなものを取って食べる、立ち食い形式の食事のことを指しています。
また、立ち食いだけではなく、イスに座って食べる形式と、大きなテーブルに色々な料理を並べて、周りに座って取り分けて食べる形式があります。
こう聞くとバイキングと大差ないように思いますが、これらは食べた分の料金を食事後に支払うのがバイキングとの大きな違いです。
セルフサービスのそば屋や定食屋といった食事処で好きなおかずやトッピングを選び、最後にその分の料金を支払う形式と言ったらわかりやすいでしょうか?
まとめ
このように区別することができますが、近頃では「バイキング」という言葉が減り、代わりに「ビュッフェ」という言葉が増えています。
どちらも似たような形式のために日本では混同されているのです。
一定の金額で、店によっては決められた時間内で好きなように食べられるのがバイキング、好きなものを自分で選んで食べた分の料金を支払うのがビュッフェというのが基本と覚えて、あとはお店での呼び方に倣うのが良いでしょう。
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